uedai blog

日々のこと、読書日記、徒然なるままに思うところ

新釈 走れメロス


読者は激怒した。必ずかの邪知暴虐の著者を除かなければならぬと決意した。
なんてわけではないですけどw
有名作品をこんな形でアレンジしたわけだから、嫌な人もいると思うわけで。
ここまで一周回ってなんかもう違うものにしてしまうアレンジだったら許せるとは思うけど。


というわけで森見登美彦の「新釈 走れメロス」です。
題のとおり太宰治の「走れメロス」を現代っぽく(というか森見登美彦っぽく)アレンジしています。
他には、「山月記」、「藪の中」、「桜の森の満開の下」、「百物語」をアレンジしています。


後半のは原作読んでいなかったので、なんとも悔しい思いをしたけど、知っている作品の方は愉快に読めた。
いわゆる名作を森見登美彦節で改竄しているわけで、それ以上言うことはないだろう。
題の「走れメロス」は、特に改竄されている。もうなんか180度回って更に180度回ったら初めに戻るかと思いきや違う場所にいたというかw一応流れは同じなんだけど中身がおかしい。アレンジの枠を超えています。
まあ読めば分かる。


そんな感じでさくさく読めて笑えます。5編通して舞台と登場人物の関係性があり、深みもあります。原作に対する愛も感じます。
森見登美彦を読むなら是非とも読んでおきたい一冊ですね。