uedai blog

日々のこと、読書日記、徒然なるままに思うところ

風の歌を聴け


相変わらず、読了後に周りの空気が張り詰めていたことを知るというか、最大限に聴覚が研ぎ澄まされる。ふと、深夜降り出した雨の中読むのが最高なのではないかと思った。そのときに読み終わったからだと思うけど。あと、無性にビールが飲みたくなる。


村上春樹の一作目の作品です。
一作目からこんな丁寧な文章が書けるなんて、やっぱ才能だよね。


内容は、29歳になる「僕」が、21歳の時の1970年8月8日から8月26日の18日間を書き記す形で始まる、「僕」と「鼠」と女の子の話。


「僕と鼠もの」シリーズは、羊の方を先に読んでしまい、なんとも残念な気分になったけど、勇気を出して読み始めてみた。「風の歌を聴け」は短い小説だし、ピンボールの方も短いので、羊まで早く辿り着けそうだ。


相変わらず、脈絡がないというか、断片的に語られる物語なんだけど、本当に一つ一つが丁寧に書かれている文章によって、いつの間にか引き込まれてしまう。


青春小説らしいんだけど、いわゆる青春というものが、村上春樹によるとこういうハードボイルドなものになってしまう。村上龍の「限りになく透明に近いブルー」もこんな感じだったっけな。


まあなんにせよ、これで終わりと思っていないので、一つで語ることは少ないな。
続けてピンボールも読みます。