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uedai blog

日々のこと、読書日記、徒然なるままに思うところ

世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド


村上春樹の最高傑作といわれている本作、「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」、ついに読んでやったぜ……!
間違いなく村上春樹の最高傑作です。
作品に引き込ませる物語、テンポの良さ、構成、誰しもが考える普遍的なテーマ、どれをとってもトップの作品でした。是非とも一読しておきたい作品です。


ーあらすじー
一角獣が生きる壁に囲まれた街に影をはがされ入り込んだ僕が街の謎に迫る物語「世界の終わり」と、計算士という仕事で働く私が老博士より暗号化の中でも最高級のシャフリングを使う依頼を受け、事件の渦中へと入り込んでいくという物語「ハードボイルド・ワンダーランド」の二つで構成されています。


物語の内容に触れようとすると、物語の世界観やら物語中で出てくる専門用語(物語のみで使われる言葉)を一から説明しないといけないので、それは避けます。
とにかく、面白かったの一言です。だんだんとエンジンが掛かっていくように、物語は進展し読者を惹きつける。そして、結末の複雑な心持ち。久々に、小説という冒険の中に入り込めました。
最初のエレベーターのくだりだけでは、いつもの春樹のうんざりするような歌い回しかと思っていたけど、読み進めるとどんどん話が盛り上がり、それに応じて自分の読むスピードがぐんぐんと上がっていくのが分かりました。
どう面白いのかというと、二つのストーリーが共に独立して一つのストーリーであり、そしてそれぞれが面白いということもあるのですが、同時並行に並べるようにストーリーが進むことで、それぞれの物語の関連性が徐々に浮かび上がり、結末へと誘うやり口は天才的だと思います。
結末も悲しいラストだとも取れるし、同時に未来への希望とも取れるものになっており、読者自身に結末を投げるというよりか、想像させるように仕掛けていて、それが面白い。


悲しみと安息と、そして新たな希望に満ちたラストは読者に比類ない感動を与える。読後は清々しいのか、落胆なのか、複雑な心境になる。それでも、いや、だからこそ最高傑作の名にふさわしい作品だと言えるのだろう。
なんでもいいからとにかく読んで!と言いたい小説でした。