uedai blog

日々のこと、読書日記、徒然なるままに思うところ

戦慄


森見 登美彦
Amazonランキング:280位
Amazonおすすめ度:

相変わらずお変わりのないようで笑わせてもらっています。

先日の京都来訪から一週間、若干のサボりがあったにせよ、読み終えてやった!
実に面白い!

内容は、主人公こと『先輩』が、後輩の『黒髪の乙女』に恋し、『薔薇色のキャンパスライフ』を手にすべく右往左往し、七転八倒し、九死に一生得て、大団円という、いつも通りのへたれ主人公と黒髪の乙女の話だが、今回は違う!

なんと!語り手!が!二人!?

そう、今回は黒髪の乙女視点でも書かれている!

語り手が複数になることで、物語の構造に深みが出ましたねぇ、とそれっぽいことを言ってみる。
まあほんとの話で、二人視点なので、一連して起こる出来事を二人の視点から別々の角度で見れる。
そのことで、一連の出来事が同じ時間に別々の事象をもってはっぴーえんどへとたどり着くわけです。ドミノみたいな感じ。(ドミノはもっと多いけど
その過程で、先輩の奔走というか迷走、黒髪の乙女の活躍がそれぞれ覗え、すれ違い具合がまた面白い!
ほんと良くできた本ですよ。えぇ。


先週京都に行ったのが役に立ったのか、所々の場面を想像しやすかった。
京都の町並みを合わせて考えるとより一層しんみりできる。


第三章で『みそぎ』が出てくるわ、第四章で『下鴨幽水荘』が出てきたり、四畳半神話大系のキャラクタも出ているのだから、こっちの主人公も出てくるのかと思いきや出てこない!
でも、樋口さんが弟子がなんたらとか言ってたから、一応は夜は短しの世界でもいることにはなっているのだろう。


やはりおすすめの作品です。
本屋大賞2位は伊達じゃない!
恋愛敗者は『太陽の塔』、大学敗者は『四畳半神話大系』も読みましょう。
二次元化した長女に手を出すのは難しい限りだ。
できればアニメ化したのが見たい。



話は変わって、
今し方、登美彦氏のブログをRSSリーダーに登録したのだが、『恋文の技術』の内容に驚愕!戦慄!体中のありとあらゆる穴という穴から発汗!というのは嘘だけどそのくらいびっくり!
なんかこれ俺のネタ帳に書いてあるぞwww
リレー小説なるものを書こうとしていた矢先に普通に小説書きたくなって、夜な夜な就寝後の夢の中へ入る刹那に浮かぶアイディアをネタ帳に書き溜めていたわけだが、似たようなものがあって戦慄!
まあだからといって俺が登美彦氏みたいにうまいことできるのかと言えばそれはあり得ない話で。
第一このネタは延々とラブレターを書き続けてはボツにして結局書き上がらないという内容的にものすごく難しかったのでやめていたわけだ。

というわけで登美彦氏の新作に期待です。